土と自然素材を研究しながら地球のこと健康のこと空間のことを考えて住宅及び建築を創っています

珪藻土

珪藻土って？

「珪藻」は世界中に5万種類から10万種類が生息していると言われる植物プランクトンです。 その「珪藻」を包んでいた「珪酸質（SiO2)」の部分が、1～2000万年かけて海や湖の底に堆 積、化石化してできたのが「珪藻土」です。その中身のほうが実は石油となったのです。 もとが何万種類にも及ぶ「珪藻」ですから、「珪藻」が死滅し堆積した状況によって、つま り「珪藻土」の産地やその地層によって違いがありますが、採掘された「珪藻土」は大きく 三種類に分けられます。
・自然乾燥したもの（淡黄褐色・青灰色・黒褐色など）
・約800度で焼成されたもの（ピンク色）
・約1000度で焼成されたもの（白色）

珪藻土で壁が塗れる？
珪藻土は耐火性も高いため以前から七輪・コンロ・耐火レンガの原料や酒・ビールのろ過材、 脱臭剤などとして幅広く利用されてきました。最近では、珪藻土の様々な優れた機能に目を つけて多くのメーカーから珪藻土入り塗壁材がつくられるようになっています。珪藻土はそ れ自体、砂粒のようなものなので固まりません。そこで、壁に塗って固めるため、また機能 を高めるために幾つかのものと混ぜ合わせて壁に塗ります。
珪藻土壁材に使われるものは主に、
・珪藻土
・石灰、セメント、合成樹脂など（固化剤）
・水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、パーライトなどの無機物（軽量骨材）
・色土、顔料など（着色剤）
・スサ、炭素繊維、合成樹脂繊維など（割れ防止剤）

珪藻土壁って何がいいの？
近年、話題となっているシックハウス症候群やアトピーを引き起こす原因の一つに室内環境 汚染があります。湿気やホコリにより発生したカビ、ダニや、建材から揮発するホルムアル デヒド、トルエン、キシレンといった有害化学物質による空気汚染です。
珪藻土は自然素材ですから室内空気を汚す有害な化学物質を出しません。それどころか、珪 藻殻の表面には無数の微細な孔があり表面積が大きいため、優れた呼吸性と吸着性も持って います。この無数の孔で湿気を吸収・放出し、空気中の湿度を一定に保つ役割をはたします。 湿度の高い日本の気候を考えると呼吸性と吸着性のほとんどないビニールクロスや合板に比 べ優れているのは一目瞭然。気をつけないといけないのは、前出のとおり珪藻土だけでは壁 材にはならないためいろんなものを混ぜていることです。珪藻土やその他の配合割合は知る ことが出来ない場合も多いので、何が含まれているかは知っておく必要があるでしょう。


　◆珪藻土壁の効能◆
　　・調湿性－吸・放湿性に富む。結露防止。
　　・防火性－火に強い。融点は約1250度。
　　・耐酸性－主成分はガラスと同じ珪酸質なので酸に強い。
　　・防カビ－珪酸質にはカビ菌が定着しない。
　　・呼吸性－消臭、空気清浄。
　　・断熱性－保温、保冷。
　　・防音性－防音、遮音。
　　・防水性－超微細孔により水を細分化。外壁材、屋根防水。

珪藻土壁は自分で塗れる！
珪藻土は生石灰クリーム同様、自分で塗れるのがうれしい。


◇ほとんどの下地に塗ることが出来ます。
◇下地処理、周囲の養生はしっかりと
◇道具によってさまざまなテクスチャ
　コテの使い方により表面の表情もいろいろ。スジを付けたり、模様を付けたり。ハケやロ ーラーを使えばもっといろんな表情を簡単に出すことが出来ます。絵の具筆やお好み焼き用 のヘラなど家庭にある道具で補修もでき、模様づけのバリエーションも広がります。
◇取扱注意
　珪藻土自体はそれほど危険ではないですが、固化剤として石灰等を使っている場合もあるの で注意が必要です。
◇乾燥時は十分に風を通す
◇汚れたら洗剤で洗う。

構成・文　Moyai H11.11.02

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