土と自然素材を研究しながら地球のこと健康のこと空間のことを考えて住宅及び建築を創っています

気候・風土について

日本温暖湿潤気候である故、住宅は吉田兼好の徒走草にもあるように
「夏を旨とすべし」とされてきました。それは、工法・材料の制約と、寒さにも対応する機能を持たせる余裕がない時代の制約からくるものでした。
しかし、そこには自然のエネルギー（太陽光・風）が有効に取り入れられ、工夫に満ちたものだったことは言うまでもないことです。
今、住宅は次世代省エネルギー基準に沿って”各ハウスメーカー”がこぞって、「高気密・高断熱」を謳い文句にし、地球環境や外部空間と遮断してしまう様な住宅が数多く建てられています。
高気密・高断熱の家は、ヨーロッパの寒冷地に対応するものが出発点になっており、基本的に日本では北東部の地域がそれに相当すると考えられます。
気密性を保つこと、断熱をすることは大切ですが北国の住宅仕様をそのまま、関西を含め温暖湿潤な地域に一律にあてはめる方向は決して正しいとは言えないでしょう。
日本の住宅が現在まで培ってきた風土に合った工法を伝承することなく、化学物質で作られた建材を大量に使い、空間を外部と完全に遮断してしまう住宅をつくることが私達の健康にとって良いことなのでしょうか？私達は、地域の特性にあった自然と共生できる住宅が出来るはずだと考えています。

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